007ではジェームズ・ボンドを主人公として大きな人気を博していますが、その007でとても大切なキャラクターとして「Q」という役が存在します。
その「Q」に焦点をあてて、ご紹介していきたいと思います。
QとはQuartermasterの略で、需品係将校という意味になります。
ボンドが活動するための備品や補給品の研究開発を行い、MI6の武器係として大きな役割を果たしているのが「Q」になるのです。
Q課では歴代、QやQ課長として様々な俳優が役柄を演じてきました。
歴代の「Q」は、
となっています。
これまでに渡り「Q」については、ベテランで頼れるおじいちゃん博士キャラクターとして描かれる事が多く、ジェームズ・ボンドの華やかな活躍を、影で支える縁の下の力持ち的な存在の役となっていました。 その為に大人の男性俳優が務める事が多く、Qは組織の中のベテランというイメージが継続し視聴者の中にも定着していました。
2006年「カジノ・ロワイヤル」2008年「慰めの報酬」では登場しませんでしたが、「スカイフォール」で登場した「Q」は、ベン・ウィショーがコンピューターテクノロジーでボンドを支える、若き黒縁メガネのイケメン天才博士を演じました。
スカイフォールではこの若き天才「Q」がたちまち注目を浴び、女性の視聴者からはボンドを凌ぐ勢いの人気となりました。
ボンドを支える「Q」が作るのは様々なスパイグッズのようなものですが、スカイフォールからは時代を反映して、「Q」がコンピューターやネットワークなど、システムやセキュリティとの対峙という場面が多くなっています。
便利なスパイグッズは道具だけでなくパソコンのシステムの中にもある時代、「Q」が敵からのサイバー攻撃とも向き合う必要があるというのがとても現代的な印象の内容となっています。
こうした「Q」に着目する事で、また007シリーズを見直してみたくなるのが、このシリーズが何度でも楽しめる理由となっているようです。
第一作目に登場し、ベレッタを持っていたボンドに対し、ベレッタよりも更に能力の高い拳銃であるワルサーを勧めています。
しかしこれには逸話があり、視聴者がベレッタは女物の銃だからボンドにはワルサーがふさわしいという投書があり、それを受けてボンドに違う銃を持たせるために「Q」という役が作られたのが「Q」の始まりです。
車体の屋根が吹っ飛び座席が飛び出して脱出できるという、かの有名なボンドカーを作り出したのはこの方。
秘密のラボでこれまで開発された発明品に囲まれながら、研究開発を行っていました。
彼の発明では消える車を開発しています。
こうした突拍子もないような架空の発明も、後々に実の製品としてのヒントになる事も多いものです。
映画の中の架空の発明品に、開発者が挑戦する事で多くの製品開発が実現してきたように、いつの日かQが開発した発明品も我々が使う日が来るかも知れません。